TOEICの点数を1か月で300点上げた方法(後編)-やり込みの末のスタートライン

前編からの続きです。

 

TOEICの点数の簡単な上げ方

では、どうやってTOEICの点数を上げていけば良いのか。

答えは簡単です。

TOEIC用のテキストや問題集をやり込むだけです。

 

英検一級を取ろうと思えば、英単語は1万数千語を暗記する必要があると言われています。そのため、数千語を収録した単語帳を使う必要があります。

 

しかし、TOEIC向けの英単語帳は、大抵、1000語程度を収録したものになっています。

もちろん、中高で英語を勉強した前提で、プラスαの1000語ですから、実際には数千語は必要になります。

もし、中学英語レベルの英単語に不安を感じるようであれば、まずはTOEIC向けでない英単語帳も使う必要もあるでしょう。

 

実際にTOEIC900点を取るのに必要な単語数がどれくらいなのか、正確な数字は私にはわかりません。

 

ネットで調べると1万語と書いているサイトもありますが、それは明らかに誤りです。

私はTOEIC900点は4000語程度、英検1級でも実際には7~8000語程度で取っています。

 

高校英語までで習う単語数が3000語程度と言われていますから、それにTOEIC用の1000語を加えたちょうど4000語ぐらいが、TOEIC900点を取るのに必要な数字だと考えます。

 

そのため、必要な単語力を身に付けるため、まずは専用の単語帳をやり込みます。

 

それと並行しつつ、TOEICの問題形式に慣れていく必要があります。

 

TOEICは問題自体は至って簡単なのですが、英語がある程度できる人でも、問題形式に慣れておらず、時間が足りなくなることがあります。

 

TOEICではどのような問題が出題されるのか、公式問題集や模試をひたすらやり込んで体に沁み込ませていく必要があります。

 

TOEICでは出題のパターンが決まっていますから、だいたい、20回分の模試を何回かやり込んで、全問解けるようにすれば800点以上は確実に取れるはずです。

 

私が1か月でTOEICの点数を300点弱上げたときも、毎日仕事終わりに5時間勉強し、ひたすら公式問題集と模試、単語帳をやり込みました。

 

また、高得点を目指す場合に一番難しいのは文法問題です。

そのため、文法問題だけをまとめた問題集を通勤時間に何度もやり込みました。

 

ここで重要なのは、「やり込む」ということです。

模試を一回解いて、採点だけして終わるというのは、最悪の方法です。

模試で何点取れようが、どうでも良く、間違えた問題をどれだけできるようにするかが重要なのです。

 

そのため、間違えた問題にマークをつけて、できるようになるまで何度も何度もやり直す必要があります。

 

社会人で一日に5時間の勉強時間を作るのは簡単ではないので、自分のペースで続けていけば良いのですが、私が紹介した参考書ややり方で、800点以上を取った人は何人もいるので、800点ぐらいであれば、容易に取れるものと思います。

 

TOEIC受験の先に

前編でも書いたように、TOEICは英語の世界に足を踏み入れるための手段でしかありません。

 

私はTOEIC930点を取ったとき、「これで初めてスタート地点に立った」と思いました。

そして、実際にそれを皮切りに、英語人材としてのキャリアをスタートさせていきました。

TOEICで高得点を取ることは簡単ですが、そこで「自分は英語ができるようになった」と錯覚せずに、TOEICに必要とされない英語能力をカバーしていき、真の英語力を身に付ける必要があります。

 

そして、語学学習の道には終わりはなく、私のような純ジャパがネイティブに近付くには限りなく遠い道のりがあります。

 

それでも、勉強していくだけの魅力が英語にはあります。

別の回で書くと思いますが、私はAIが今後発展を続けていっても、英語力は必要になると考えます。

そして、英語ができることで開ける道は、単に「外国人と話せる」以上のものです。

前回書いたように、私は自分が英語を使うことは生涯ないと考えていましたが、今では「なぜあの時に英語をやらなかったのか」と日々、後悔させられます。

 

しかし、私が社会人になって英語を習得できたように、英語は何歳からでも始められるものなのです。

記事を読んでいただいた方の成功を祈念し、結びとさせていただきますが、質問等ございましたらご遠慮なくコメントをください。

TOEICの点数を1か月で300点上げた方法(前編)ーTOEICを受ける必要はあるのか

私は今では海外赴任を経験し、ロンドン大学を卒業、英検一級を持って海外との調整の仕事をするなど、英語をバリバリ使い、国際派として仕事をしています。

 

しかし、社会人になるまで英語は最も苦手な科目でした。

英検は3級までで、高校時代は何度も英語の定期試験で赤点を取っています。

その頃は、まさか、自分が仕事で英語を使うとは夢にも思っていませんでした。

英語ができないために、大学受験も落ち、入った大学でも英語は初級クラスに属していました。

 

大学卒業後、少しスカイプ英会話をやったことでTOEIC500点台を取れるようになっていましたが、点数はずっと伸び悩んでいました。

 

あるとき、本腰を入れて取り組み始めたところ、1ヶ月あまりで300点弱の点数を上げ870点を取ることができました(その半年後930点を取得し、900点超えを達成)。

 

今回は、その経験から、TOEIC対策について書きます。

 

◯そもそもTOEICを受ける必要はあるのか

まず最初に、TOEICを受ける必要はあるのでしょうか。

 

TOEICはリスニングとリーディングだけだから、簡単なビジネス英語だけだから、実用性がないという話をよく聞きます。

 

私もこれには賛同します。実際にTOEICで900点以上を取っても、英語が劇的にできるようになったという実感はありませんでした。

 

海外映画を字幕なしで見るなんてことはもってのほかで、単純な英会話でもよく戸惑っていました。

 

正確性に厳しい某英会話学校B社のレベルチェックでは、レベル2でした(10が最高)。

 

しかし、だからといって、TOEICを受ける必要がないとは思いませんし、むしろ、だからこそTOEICは受けるべきなのです。

 

実際の英語能力とは必ずしも結びつきませんが、TOEICは日本社会ではかなりの地位を築いています。

 

こんなにTOEICが重宝される国は日本と韓国だけで、他の国ではビジネスに限定せず、またスピーキングやライティングを含めた4技能を図るテストが一般的に使われています。

 

韓国以外の外国人にTOEICが何点だとか言っても、ほとんど通用しませんが、日本社会ではTOEIC900点超えと言っておけば、ものすごく英語ができる印象がつきます。

 

TOEICは難しくないのですが、英語ができるからといってTOEICの点が高いという訳ではありません。

 

TOEICの内容はビジネスに特化していますし、情報処理能力の速さも求められるので、単に少し語学留学をしたり、語学学校に通ったりしても点数が伸びるわけではありません。

 

そのため、「英語を流暢に話せるようになる」ことを目標としている人たちは、TOEICの点を簡単に上げることはできません。

 

一方で、TOEICの点数を上げることだけを目的とすれば、一か月で100点単位で点数を上げることも容易です。

 

漠然と英語を勉強する人より、スピーキングやライティングのスキルは上がりませんが、「あの人は英語ができる」よりも「あの人はTOEIC800点超えで英語ができる」と言う方が説得力があるので、実際には自分よりも4技能ができる人よりも、英語ができるように見せることができるのです。

 

そして、日本社会では、英語関連の仕事に従事している人でも、英語が満足にできる人は驚くほど少ないので、少し英語ができると認識してもらうことで、英語を使った仕事を任せられるなどの機会を得ることができます。

 

こうなれば、あとは仕事を通じて英語を使う機会もできるので、仕事後に勉強している人たちよりも圧倒的に有利な状況になり、スピーキングやライティングの能力も伸ばすことができるようになります。

 

「英語をできるようにしてTOEICの点数を上げる」のではなく、 TOEICの点数を上げ、英語に触れる機会を増やし、英語をできるようにする」ということが重要なのです。

 

そのため、私はTOEICを受け、最大限その結果を活用すべきだと考えます。

 

では、実際に私がどうやってTOEICの点数を急激に上げたのか、その方法については次回に続きます。

論考-009 ネット右翼系コンテンツは異世界転生小説と変わらないのか

「外国人が日本をあこがれている系コンテンツ」が流行っているのは、日本の国際的な地位が低下する中、日本TUEEE(日本人の俺TUEEE)と思いたいため。


ネット右翼コンテンツも、社会の中で弱い自分が「中国人、韓国人よりもマシ」と思える娯楽コンテンツとして商売している。


…というのは、全く新しい言説ではありませんが、鈴木大介氏の以下の記事を読んで、それは肉体が弱体化することでも起こることなのかなと考えさせられました。


亡き父は晩年なぜ「ネット右翼」になってしまったのか

https://www.dailyshincho.jp/article/2019/07251101/?all=1


左翼系コンテンツより、右翼系コンテンツがネットで人気になるのは、危機感を煽り、単純な外の敵を設定して叩くという、楽に消費しやすいもので、自分が優越感を持ったり、興奮状態を味わえたりする娯楽性の高いものだからでしょう。


ネット小説で異世界に転生して主人公(≒自分)が無双するようなコンテンツが莫大な人気を誇っていることに通じるものを感じます。


異世界は現実ではないとわかっているので、自分が生きる現実の中で、どうやって自分が社会的に高くなるかを模索していくコンテンツ。


鈴木氏も書いているように、こうしたコンテンツは受けが良いので、商売として多く生産されます。


ときには内容の正確性よりも、どれだけ興奮できる内容かということを目的として、事実をわざと歪めて、悪い点だけを書いていることもあるでしょう。

そうなったとき、それはもはや異世界と変わらぬ、フィクションのようになってしまいます。


もちろん、中国・韓国にも批判すべき点はたくさんありますが、単に感情的に優劣をつける(民度がどうとか)のではなく、冷静に、相手の優れた点と劣った点を論理的に語る必要があるでしょう。


すでに、中国は日本よりも強国になっている(と考えるのが国際社会では一般的)のですから、冷静に相手の力を分析する必要があります。


あえて中国の故事を使いますが、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。

仮に相手を敵と捉えるとしても、相手の戦力を読み間違え、見くびったとき、そこにあるのは敗北でしかありません。


韓国が悪いのだとしても、一旦、韓国が悪いという感情は捨てて、情報を分析し、なぜ韓国が悪いのか、なぜ彼らはこうした行動をとるのかを考える冷静さが求められます。



なお、私も高校生の頃は『正論』や『Will』をよく読んでいたので、それらのコンテンツもだいたいわかっているつもりですが、様々な立場の意見に触れ、総合的に判断していった結果、それらは読まなくなりました。


このテーマはセンシティブなので、批判もあるかもしれませんが、私はニュートラルな立場から、海外の新聞等を読んで、客観的に日本を捉え、今何が必要なのかを考える必要があると思います。

東のオーストリアと南のオーストラリア

オーストラリアの名称の由来が、ラテン語の"Terra Australis (Incognita)"((未知の)南方大陸)だということはオーストラリア関係者には広く知られているところだろう。未知の南方大陸の存在は古代ギリシアの時代から提唱されていたと言われる。

 

"Australis"は「南の」という意味で、アウストラロピテクス(Australo(南の)pithecus(猿))の語源でもある。

 

ところで、オーストラリア(豪太刺利)とよく間違われるオーストリア墺太利)だが、実は語源からして全く同じなのだ。

 

印欧祖語(Proto-Indo-European)における"h₂ews-"(印欧祖語においてhの喉音は3種類あったとされる)が、両国名の語源だが、その意味は「夜明け」と「東」。

この語のイメージは「輝く」で、輝く太陽が東から上ってくるから「東」という意味を持つ。Aurora、eastなどの語源とされる。

 

印欧祖語から派生したゲルマン系の言語において、東にある地は"Ostarrîchi"(ラテン語で"Austria")と呼ばれたのである。つまり、ドイツから見てオーストリアは「日の出ずる国」なのだ。

 

この「東」の意味を持つ"h₂ews-"がラテン語において「南」の意味も持つようになった理由には諸説あるようだが、一説には、サハラ砂漠からローマに向けて吹く南風(シロッコ)が熱かったため、「輝く=熱い」というイメージから「南」を指すようになったとか。ラテン語で"auster"が「南の風」を指す言葉になっている。

 

オーストラリアとオーストリアは語源から見ても紛らわしい。

論考-008 なぜロンドン大学(通信)はコスパ最高なのか

今回は、私がグラデュエート・ディプロマ(GDip)を取得し、現在、大学院(法学)に通っているロンドン大学の通信課程がコスパ最強な理由を説明したい。

 

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ロンドン大学は、いわゆる日本でいう大学のような形での大学ではない。ロンドンにある複数のカレッジの集合体としてロンドン大学がある。

 

ロンドン大学を構成するカレッジのレベルはまちまちだが、中でも私がGDipを取得したロンドン・スクール・オブ・エコノミクスLSE)と現在所属する大学院のプログラムを提供しているユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)は世界大学ランキング(TIMES、QS)で東大より上位の、世界屈指の名門校である。

特にLSEは理系学部のない大学にもかかわらず、東大よりも上位になっている。日本で似た立場の一橋大学が同ランクでの評価が低いことを考慮すると、その凄さがわかる。また、LSEは社会科学(法学・政治学・経済学等)の分野でハーバード大学に次ぐ世界二位の地位を得ている。

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 ・QS大学世界ランキング(社会科学)

 

また、通信教育は質が低いと一般的に思われがちだが、ロンドン大学は通信課程の卒業生だけで7名のノーベル賞受賞者を輩出している。

 

ロンドン大学通信では、このように国際社会で通用する学歴を比較的簡単に手に入れられる。

英検1級レベルのリーディング力とライティング力は必要だが、国内の慶應義塾大学通信などと比べると遥かに卒業が簡単なのである。

国内の通信制だと、基本的にスクーリングが必修になっているが、ロンドン大学の通信講座(International Programmes)の多くのコースでは、定期テストの合格だけが卒業の基準になっている。

私がLSEでGDipを取得した際は、直前に2週間程度勉強して4科目の試験を受けただけであった。

すでに日本の大学を卒業し、学士を持っている人であれば、これだけで学士レベルのディプロマが取得できるし、2年間でその倍の授業を取れば学士も取得できる。

 

また、ロンドン大学通信は海外の大学の中ではかなり学費が安い。

GDip取得にかかった費用は合計で40万円程度であったし、修士号もコースによっては100万円程度で取得できる。

通信であっても海外大学では卒業まで200〜300万円かかることが珍しくない、また国内の国立大学でも通学であれば学士取得まで200万円以上、私立大学なら400万円程度までかかる。

 

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 (LSEのGDipプログラムの学費。実際には、これに加えてテストの受験会場での手数料が10万円程度かかる)

 

このため、英語さえできれば国内のいずれの通信大学よりもコスパが高いものになっている。

また、入学に必要な英語力も学士レベルではIELTS Overall 6.0と、比較的低くなっている。

このレベルの英語力のある方には是非ともおすすめしたい。

論考-007 変性意識—新興宗教・瞑想・ナンパ・短期勉強・気で飛ばす・サ道の共通項

最初に断っておくが、私の大学での専攻は科学史・科学論・科学哲学であり、疑似科学や超常現象などについては大槻義彦氏ほどではないにせよ、かなりの疑念を抱いている。

 

その一方で、世の中には気で飛ばされる人、催眠術にかかる人、心霊体験をする人、スピリチュアルにハマる人達が一定数いることは否定できない。

私は合気道家としても知られる、とある呼吸法の達人の道場に行ったとき、気で飛ばされていく人達を直に目にしている。(ちなみに、私は飛ばされなかった)

 

こうした現象を理解するのに一番適切な概念は「変性意識」(変性意識状態・Altered state of consciousness)だろう。

 

変性意識とは心理学の用語で、通常の状態とは異なる、一時的な意識状態である。「トランス状態」とも言い、この人間はこの状態にあると催眠や洗脳を受けやすくなる。

 

なお、変性意識をテーマに京都大学で博士号を取得された斎藤稔正氏の定義では、「人為的、自発的とを問わず心理的・生理的・薬物的あるいはその他の手段・方法によって生起した状態であって、正常覚醒状態にいる時に比較して、心理的機能や主観的経験における著しい異常性や変容を特徴とし、それを体験者自身が主観的に(もしくは他の客観的な観察者によって)認知可能な意識状態」である。

 

ちなみに、私も今までに変性意識状態を自覚的に経験している。他の人の経験している変性意識状態と同じものかはわからないが、明らかに普段と異なる状態である。以前投稿した「短期勉強による脳の覚醒状態」がそれである。

 

1.新興宗教

かつてオウム真理教が信者に洗脳をかけていたことは広く知られるところである。

 

オウム信者の脱洗脳に成功したことで有名なのが苫米地英人氏であるが、苫米地氏はこのオウムの洗脳の仕組みや変性意識について多数の発言・執筆をしている。なお、苫米地氏の著作にはうさんくさいものも多いので、安易に過信してはならないことを付言しておく。

 

オウム真理教の教義は灘高・東大理Ⅲ出身の教団幹部がつくり上げた洗脳体系だと苫米地は指摘しているが、信者を変性意識状態にするために延々と死体ビデオを見せる、薬物を使用する、電気ショックを与えるなどの行為を行っている。

 

苫米地氏によれば、オウム真理教の教義のタネ本は『ニルヴァーナのプロセスとテクニック』である。5年ほど前にこの本を買ったのだが、積ん読状態のまま日本に置いてきてしまった。内容はニルヴァーナ(涅槃)に至るための瞑想のやり方についてのものであった。

 

2.瞑想

瞑想もオウムでは盛んに行われていたのだが、瞑想は宗教に関係なく幅広くその効果が注目されている。

『世界のエリートがやっている最高の休息法』などの瞑想を 勧めるビジネス書や自己啓発書が多数出版されている。

 

変性意識のビジネス等の分野への応用可能性について語るには、洗脳以外の特性について触れる必要がある。

 

変性意識は他人をその状態に陥れ、催眠・洗脳するだけのものではなく、自らその状態を作り出し、自己催眠する手段でもあるのだ。

それによって記憶力の向上など、普段以上に脳を活用できると述べる本も多い。それが本当だとすれば、あらゆる分野に活用できるはずだ。

 

3.ナンパ

その活用分野の一つが「ナンパ」だろう。

 

社会学者で元ナンパ師の宮台真司氏はナンパの極意としてはっきりと「変性意識」を挙げている。

そして、宮台氏はナンパ師が変性意識に陥った状態を「黒光りした戦闘状態」と呼ぶ。

 

ここで思い出すのは、近年、多くの批判を受けながらも、アメリカの大学でPh.D取得・外資投資銀行出身という経歴と歯切れのいい恋愛論・テクニック(恋愛工学)から注目を集めている藤沢数希氏だ。

藤沢氏はまさにこの宮台氏の「黒光りした戦闘状態」とほぼ同義で「スーパーサイヤ人」という言葉を使っており、その他の理論でも意図的に変性意識関係のテクニックを取り入れているように見える。

 

4.短期勉強

私が変性意識を活用しているのは短期勉強においてである。

 

苫米地氏は高級官僚や東大卒は催眠にかけられる確率が非常に高いとしている。それは、勉強の中で変性意識に入るプロセスを身につけていることが多いからだそうだ。

 

私は大学入試で活用していないので、残念ながら東大出身ではないが、高校(一応、偏差値72程度)の定期試験の特定の科目では、これを無意識に利用して前日の一夜漬けだけで学年1位、3位、クラス1位などを取っていた。社会人になってから、資格の勉強などで特にこの状態を活用している。詳しくは→「社会人になってから短期勉強を趣味にした話」http://rhizome.hatenablog.jp/entry/2017/05/13/232519

 

「明らかに通常の状態では不可能な時間設定+カフェインの過剰摂取+試験当日朝にカレーを食べる」など、自分なりの入り方を身につけた。(ただし、入れないときもよくある)

 

5.気で飛ばす

一般的な変性意識への入り方は、深く呼吸をしながら脱力していくというものである。

 

それを知ったとき、気で人を飛ばしていくトリックが変性意識にあることがわかった。

 

冒頭で述べた某道場に行ったとき、まず最初に私は深呼吸をしながらの体操を1時間程度やらされたのである。「こうしていると体がぽかぽかしてきます」というような説明をしていたと思うが、これによって変性意識状態に陥らせ、催眠を利用して人を飛ばしていくのだろう。

初心者は変性意識に入り慣れていないためか、他の練習生と別の部屋でわざわざ長時間の呼吸法を練習するのである。私はそれまでに5種類の武道を経験しており、気で飛ばすことに懐疑的だったため、投げられることはなかったが、油断していると催眠にかかって飛ばされることもあるのだろう。

 

6.サ道

ユニークな変性意識への入り方として「サウナに入ること」もある。

 

タナカカツキ氏の語る「サ道」(サウナ道)ではサウナと水風呂を交互に入ることによって、合法的にドラッグをやっているような感覚になれる、としている。私も一回だけやったことがある。

 

なお、タナカ氏はこの「サ道」によって一時期聴力を失っているので、マネする際は要注意である。

 

参考→「タナカカツキのサ道 第3回導師(グル)」

http://modernfart.jp/2009/08/1454/

 

7.まとめ

「変性意識」はともすればバズワード的に使われかねないが、異常な心理状態が引き起こす現象を理解するのに役立つ概念に違いない。

 

 

参考:

斎藤稔正『変性意識状態(ASC)に関する研究』

苫米地英人『残り97%の脳の使い方』

宮台真司ほか『宮台真司・愛のキャラバン』

 

 

論考-006 「日本の公務員の給料は世界一」の誤謬

SNSを見ていたら「日本の公務員の給料は世界一」というコメントを目にした。

未だにそうした言説が広まっているのかと思い、ググったところ、確かに検索トップには、日本の公務員の平均年収は724万円なのに対し、アメリカ357万円、イギリス275万円、フランス198万円…などと書かれたページが出てくる。

私が住んでいるオーストラリアの公務員平均年収は360万円で、公務員としては「高額な給与」なんだそうだ。

しかし、オーストラリア居住者が見れば、調べるまでもなくこの数字が誤りであることがわかる。

なぜなら、オーストラリアの大卒初任給は平均で月収40万円を上回っているからである。年収360万円は大卒初任給以下なのだ。

 

では、本当に日本の公務員の給与額は世界的に異様なほど高いのか。

実際に、2017年の東洋経済紙の「公務員年収ランキング」で4位(2016年度1位)の東京都とその姉妹州のオーストラリア・ニューサウスウェールズ州(以下、「NSW州」という。)の給与を比較してみよう。

 

まずは初任給から。

東京都の職員採用ページによれば、新卒採用者の月給は約217,400円(地域手当含む)とされている。ボーナスも含め、年収では約350万円だろうか。

一方、NSW州政府の採用ページでは、新卒採用者の初任給は年収74,544豪ドル(約630万円)書かれている

つまり、新規採用者の年収はNSW州政府の方が年間約280万円高になっている。

 

次に、職員の給与の最高額を比較してみる。

東京都によると東京都副知事の給与月額は月額約120万円、公選の知事でも約145万円である。ボーナスと地域手当を加え、知事の年収は約2900万円と見積もられている(ただし、現在の都知事給与は特例条例によって半額になっている)。

一方、NSW州政府では政治家ではない行政官の最高年収が441,200豪ドル(3,700万円超)と、東京都知事の給与すら凌駕している。

 

平均年収は公式のデータが見つからないため、比較できないが、これらからNSW州政府の平均年収も東京都の平均年収を超えていることが推測できる。

 

また、オーストラリアの国家公務員ではより高額の報酬を得ているケースもあり、中には首相を上回る給与をもらっている人もいる。

例えば、Herald Sun紙によれば、首相内閣省のMartin Parkinson氏の年収は861,700豪ドル(約7,300万円)であった。

ちなみに、オーストラリア首相の年収は507,338豪ドル(約4,300万円)、日本の安倍首相の年収は約5,100万円と言われている。

 

オーストラリア以外の事情については調べる気がないし、旅行で得た程度の感覚しかないが、ネットで第一に出てくる公務員の賃金は、その国の物価を考えるとあり得ないような額が目立っている。

正確な数字は英語で検索してもすぐ出てこないので、こうした数字に惑わされがちだが、しっかりと情報源を見極めた上で、その信憑性を判断すべきだろう。

 

参考ページ等

東洋経済オンライン「最新!『公務員年収ランキング』トップ500」

http://toyokeizai.net/articles/-/169297

・東京都職員採用/人材育成・人事制度/勤務条件

http://saiyou2.metro.tokyo.jp/pc/training/welfare.html

・FAQs, NSW Public Service Commission

https://www.psc.nsw.gov.au/workforce-management/recruitment/nsw-government-graduate-program/faqs 

・東京都「都職員の給与の状況」

http://www.koho.metro.tokyo.jp/2016/11/kyuyo_01.html

・Remuneration & Benefits Guide 2015-2016, NSW Public Service Commission

https://www.psc.nsw.gov.au/employmentportal/compensation-and-benefits/2015/16-senior-executive-remuneration-management-framework/remuneration---benefits-guide-2015-2016/appendix/appendix-1

・Top public servants paid more than PM, Australia's military top brass, Herald Sun, May 15, 2016.